Vol.136

トゥモロー・ワールド

2006年 / 米・英
原題:Children of Men
監督:アルフォンソ・キュアロン
キャスト:クライヴ・オーウェン / ジュリアン・ムーア / マイケル・ケイン /
     キウェテル・イジョフォー / クレア・ホープ・アシティー / 他

絶滅……、それは彗星の衝突によるものでも、地球温暖化によるものでも、核戦争によるものでもなかった。
2027年、子どもが生まれなくなって18年間。人類は絶滅の危機に瀕していた。一瞬にして失われる世界ではなく、徐々に未来が失われてゆくなか、かろうじてイギリスだけが秩序を保っていた。生殖能力を失った世界は人類最年少という理由で、世界中が注目するヒーロー・ヒロインになれる時代である。
セオ(クライヴ・オーウェン)はエネルギー省に勤める役人で、かつては有能な活動家だったが、2008年にインフルエンザで息子を失ってからは、未来に何の期待もしていない。

恐竜は、子どもたちが居なくなり廃墟と化した小学校で登場する。

世界最年少の少年が彼のファンに殺害される事件があって間もなく、セオは地下組織FISHに拉致される。組織のリーダーはジュリアン(ジュリアン・ムーア)。セオの妻だった女性である。
ジュリアンはセオにひとりの少女を“ヒューマン・プロジェクト”へ送り届けように頼む。“ヒューマン・プロジェクト”は、国境を越え秘密裏に活動を続けている組織である。少女の名はキー(クレア・ホープ・アシティ)……。彼女は人類の未来への希望を体内に宿していた。妊娠しているのだ。ただ、キーは難民である。政府に知れればどんな扱いを受けるか予想もつかないのである。

ジュリアンが暴徒の弾丸に倒れ、セオとキーは地下組織のアジトから脱出し、未来にほんの少し希望を持ち始めた時だ。小学校の入り口に車を止めたセオの向こう側にトリケラトプスが映っている。体長3メートルはあるだろうか……。オールディーズシリーズのトリケラトプスに似ている。

恐竜は鳥類としてその遺伝子を繋ぐことができたが、果たして人類はどうだろう。トゥモロー・ワールドは遺伝子さえも残すことのできないパーフェクトな絶滅である。