Vol.139

パプリカ

2006年 / 日本
原題:パプリカ
監督:今 敏
原作:筒井康隆
脚本:水上 清資 / 今敏
声の出演:林原めぐみ / 江守徹 / 堀勝之祐 / 古谷徹 /
     大塚明夫 / 山寺宏一 / 阪口大助 / 他

(財)精神医療研究所では、「夢の扉を開く科学の鍵」「精神医療の新地平を拓く太陽の王子様」と例えられるサイコテラピーマシン「DCミニ」の開発が行われていた。開発者は時田浩作(古谷徹)。子どものまま大人になった天才と言われている。そして、DCミニを駆使するサイコテラピストは千葉敦子(林原めぐみ)。彼女は治療を行う時、夢の中で姿を変え「パプリカ」と呼ばれていた。但し、パプリカはサイコテラピーマシンが公に認められるまでは極秘である。
ところが、時田の親友であり助手の氷室啓(阪口大助)がDCミニ3機を盗む事件が起こった。アクセス制御を施していないDCミニは悪用されれば、人間の夢に介入し他人の夢を無理矢理植え付けることも可能になる。千葉、時田、研究所の所長・島寅太郎(堀勝之祐)が事件の収拾に動き始めるが、事態はそう簡単なものではなかった。
犯人と思われていた氷室もまた、被害者で何者かによって夢に介入されていたのだった。そして、夢が現実を浸食しはじめる……。

恐竜は、氷室の見ている悪夢の中に登場する。

氷室の夢は、財団の理事長・乾精次郎(江守徹)の言葉を借りるならば「現実を否応なく追われた難民」たちのパレードであり、そのパレードを島は「回収中の不燃ゴミがあふれ出る」と表現する。
このパレードの中にティラノサウルスとブラキオサウルスがいる。ティラノは深いグリーン、ブラキオはグレーである。
パレードのシーンは幾度となく映るのだが、ラスト近く、ビルの間に一瞬、茶褐色のティラノサウルスが映るのでお見逃しなく。
思えば……、フェバリットのニューシリーズ「ビニールモデル」のようにカッコよくはないが、氷室の夢に登場するようなロボットや恐竜を一度は手にしたような気がする。
乾は、「非人間的な現実世界にあって唯一残された人間的なるものの隠れ屋」が夢であり、「夢たちは科学によって安住の地を奪うのだ」という。彼は、恐竜が夢の中で科学と共に育まれ、現実において進化の謎が解き明かされてゆくことを知らなかったのかもしれない。