Vol.140

グロテスク

1995年 / 米
原題:The Grortesque
監督:ジョン・ポール・デイヴィッドソン
脚本:パトリック・マグラス
キャスト:スティング / アラン・ベイツ / テレサ・ラッセル /
     レナ・ヘディー / トゥールーディ・スタイラー /
     スティーブン・マッキントッシュ / ジム・カーター / 他

1949年、イギリス。エレガントだが不気味さが漂うフレッジ(スティング)は、妻ドリス(トゥールーディ・スタイラー)と共にヒューゴ・コール卿(アラン・ベイツ)の屋敷に新しい執事として雇われることになった。 考古学者のコール卿は、妻ハリエット(テレサ・ラッセル)の浮気にも興味なく、納屋で研究を続けている。頑固で皮肉屋、言葉の暴力で周囲に不快を与える彼の理解者は娘のクレオ(レナ・ヘディー)と、代々コール家に仕える、養豚業者のジョージ・レッキー(ジム・カーター)の2人だけだった。
さながら自然史博物館のようなコール邸では、不自然で歪な日常がバランスを保っていた。姦通、誘惑、同性愛、殺人、人食い……。クレオのフィアンセとなるシドニー(スティーブン・マッキントッシュ)が屋敷に招かれてから、フレッジの周到な企みが、コール家の日常を更に醜いものにしていった。

恐竜は、コール卿の納屋で登場する。

美しい獣脚類の骨格が復元されている。卿はフレグモサウルス・カーボネシスの骨格復元に挑みながら、10年間の研究の末、恐竜の進化を書き換えようとしていた。
「恐竜は鳥類へと進化した……」。新説を発表した彼は「並べ間違えた本だ」と評価される。西暦1949年の設定を考えると無理もない。
また、1995年の映画だが「鳥の足をしていて走ることができた。プロントサウルスを襲うのだ」という台詞もある。殺人に使われた凶器はフレグモサウルスの「かぎ爪」。恐竜ファンには見逃せない作品である。

ちなみに、「グロテスク」とは奇怪な・異様なという意味の他、ファンタスティックな装飾で空間を埋め尽くす芸術様式をさす言葉でもある。