Vol.17

A.I.

2001年 / 米
原題:Artifical Inteligence:A.I.
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原案:スタンリー・キューブリック
原作:ブライアン・オールディス
キャスト:ハーレイ・ジョエル・オスメント / ジュード・ロウ /
     フランシス・オコーナー / サム・ロバーズ / ジェイク・トーマス /
     ウィリアム・ハート

地球温暖化で海面が上昇し、人間が住める環境が限定され、先進国では社会や経済を維持するため妊娠は制限、腹も減らず資源を使うこともないロボットが不可欠になった近未来の物語だ。
愛するという感情を持つAI(人工知能)を組み込んだロボットがヘンリー(サム・ロバーズ)とモニカ(フランシス・オコーナー)夫婦のもとにやってくる。不治の病に冒された息子マーティン(ジェイク・トーマス)を持つ二人は理想的な研究対象として選ばれたのだった。
彼の名はデイビッド(ハーレイ・ジョエル・オズメント)。愛するというプログラムを発動させるキーワーズは七つ。
モニカは人工知能を持つロボットに戸惑いながらも、Cirrus、Socrates、Particle、Decibel、Hurricane、Dolphin、Tulipとデイビットに語る。
デイビッドの感情はモニカに真っ直ぐに向かうのだが、モニカはデイビットを素直に愛せない。彼は母に愛されたいと切実に願う。
そんな矢先、マーティンの治療法がみつかり家に帰ってくる。
事態は一変し、人間の傲慢さ非情さ、誤解が重なり、モニカはデイビッドを森に置き去りにするのである。
デイビッドはモニカに愛されるために人間になりたいと願い、スーパートイのテディと共にピノキオのお伽話に出てくるブルー・フェアリーを求めて彷徨うことになる……旅や冒険などではない。
しかし、それもまたデイビットを開発したボビー教授(ウィリアム・ハート)の実験でしかなかった……。
教授の実験は成功し、デイビットは複製可能な愛を持つAIの一号となったのである。

2000年後……、氷河期の地球上では既に人類は滅亡し、計り知れない進化を遂げたAIが支配する世界だった。
氷に閉ざされた海底でデイビットを発見した彼らはデイビットに告げる。
「人間は存在の意味を解く鍵だった」。
「君は人類のかけがえのない記憶バンクだ」。
Please, make me a real boy.デイビットは諦めてはいない。
彼の人間になるという願いは叶えられないが、母親に愛されたいという願いだけは実現する……。

恐竜は、デイビットとマーティンの子供部屋にいる。
様々な生命がシールやフィギュアとして飾られているのだが、恐竜が描かれたボードは乳白色の棚に立てかけてある。
クローズアップされることはないが、デイビッドが絵を描き始めた時、マーティンとの間に鮮明に映る。ステゴサウルスとN・パーカー風のティラノサウルス……竜脚類も見える。
人類と2000年後のAIの歴史の符合。
氷河期と絶滅、滅亡、発見、発掘、そして存在と記憶。
わざわざ、デイビッドとマーチンの間に恐竜の描かれたボードが映る理由はここにある。
視覚効果を担当したのはデニス・ミューレン率いるILM。スーパートイのテディ担当はスタン・ウィンストンスタジオである。
ダイナソーファンには今更、説明の必要はないだろう。
お聞き逃しなく。