Vol.170

リトル・チルドレン

2006年 / 米
原題:Little Children
監督:トッド・フィールド
脚本:トッド・フィールド / トム・ペロッタ
キャスト:ケイト・ウィンスレット / パトリック・ウィルソン / ジェニファー・コネリー /
     セイディー・ゴールドスタイン / タイ・シンプキンス / グレッグ・エデルマン / 他

「リトル・チルドレン」は「大人になれない大人たち」という意味だ。郊外の閑静な住宅街を舞台に、退屈な日常から逃避するための恋愛、平穏無事な幸せに不満があるわけではないのだが、何処かに置き忘れてきた夢や、別の人生を生きることができるのではないかと想い描いている大人たちの物語だ。
司法試験合格を目指すブラッド(パトリック・ウィルソン)は、ドキュメンタリー作家の妻キャシー(ジェニファー・コネリー)と息子アーロンと暮らしている。アーロンの面倒を見ながら、図書館通いの毎日だった。サラ(ケイト・ウィンスレット)は、夫リチャードと3歳になる娘ルーシーと暮らす専業主婦だ。二人は公園で出会い深い仲になっていく。

恐竜は、アーロンの眠るベットの枕もとで登場する。

サラが読書会でフローベルの小説「ボヴァリー夫人」の感想を求められ話すシーンがある。
彼女は「別の人生への渇望」だと話した。ブラッドとサラもまた同じだった。2人は駆け落ちすることを決心しそれぞれの家を出る。ブラッドが眠るアーロンに別れを告げる時、ティラノサウルスとブラキオサウルスのフィギュアが映る。
さて、2人の恋の行方は……。「ボヴァリー夫人」のように死が待っているのか、それとも。
ブラッドはサラとの待ち合わせ場所の公園に急ぐ途中で、スケートボードに興じる若者たちに「新しいことに挑戦しなくちゃ」と誘われる……。「大人になりきれない大人たち」の日常は皮肉なものである。
過去は変えられない。だが未来は変えられる。一歩を踏み出せばと、お伽噺は終わるのである。