Vol.5

スペース・カウボーイ

2000年 / 米
原題:Space Cowboys
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:クリント・イーストウッド / トミー・リー・ジョーンズ /
     ドナルド・サザーランド / ジェームズ・ガーナー

スペース・カウボーイは、宇宙を夢見つづける男たちの物語だ。
1958年、人類初の宇宙飛行のために訓練を続けていた4人の男達がいた。
空軍の優秀なテストパイロット・チーム「ダイダロス」だ。
しかし、大気圏外テスト飛行に挑む土壇場になってプロジェクトの権限が空軍からNASAに移動。彼等の宇宙への夢を断念しなくてはならなかった。
それから40年……。
ロシアの通信衛星が故障し核弾頭と共に地球に落下するという緊急事態に再びチーム「ダイダロス」が復活する。
かつてアメリカの人工衛星スカイラブを設計したのは「ダイダロス」のリーダーであるフランク・コービン(クリント・イーストウッド)であり、ロシアの通信衛星もスカイラブと同じシステムを使っていたのだ。
勿論、ダイダロスのメンバーはすでに空軍を引退し、4人は立派な老人。
だが、タフであり実にカッコよく、地球の危機を救うために宇宙空間へシャトルで飛び立つ。まさしくスペース・カウボーイのイメージがぴったりだった。
ところで、NASAは、ダイダロスに頼らず自分たちでこのシステムを修復しようと試みるのだが、手をつけることもできなかった。その時、衛星のガイドシステムを「The guidance on this thing is a dinosaur.」と言った。
日本語吹き替え版では「こんなカビ臭い恐竜みたいな代物」、字幕版では「過去の遺物」と訳されていた……。
最近、Web時代に乗り遅れている企業を「時代遅れの恐竜」と評したり、「進化しなくちゃ絶滅しちやうよ」なんてコマーシャルがあったりする。
多分、絶滅=恐竜という公式が何処かにあり、巨大、愚鈍という間違った恐竜感が未だにはびこっているせいだ。
恐竜は進化しなかったから絶滅したわけでもなく、デカクて愚鈍な生き物でもない。しなやかな肉体を持ち、自然の秩序と共に生きた美しい生命体である。
かつて地球上で生命を謳歌した恐竜をもっと讃えることができたならば、
「the guidance on this thing is a dinosaur.」
きっと、違ったレトリックとなるはずである。