Vol.61

チェンジング レーン

2002年 / 米
原題:CHANGING LANES
監督:ロジャー・ミッチェル
キャスト:ベン・アフレック / サミュエル・L・ジャクソン /
     シドニー・ポラック / トニ・コレット /
     ウィリアム・ハート / リチャード・ジェンキンス /
     キム・スタウントン

ウォール街、利益優先の法律事務所に勤めるギャビン・バネック(ベン・アフレック)は若き弁護士。サイモン・ダン財閥の遺言検定法廷を担当している。
保険のセールスマン、ドイル・ギプソン(サミュエル・L・ジャクソン)は離婚調停中…。カウンセリングに通いアルコール依存症を克服、子ども達の親権を巡って妻ヴァレリー(キム・スタウントン)と争ってはいるが、家族で暮らすことを夢見てアパート購入の契約を済ませたところだった。
彼はトラブルに憑かれたような男だった。
見知らぬ二人の男はお互いの事情を抱えながら裁判所へハイウエーを急いでいたのだが、ギャビンの無謀な車線変更(チェンジング レーン)で二人は接触事故を起こす。些細な事故だった。ギャビンは自分の強引な運転が原因であるにも関わらず、急いでいることを理由に一方的に白紙の小切手を切り、「ついてないな!」と捨て台詞を吐く始末。雨が降り出した事故現場にドイルを残して法廷へ去っていった。
怒りに震えるドイルの足下には、ギャビンが落とした一冊のファイルが残されていた。遺言検定法廷に絶対必要な証拠書類、サイモン・ダンの署名が入った権利委託書だった……。
二人はそれぞれの法廷に遅刻。
ドイルが20分遅れで到着した裁判所では、親権は妻にという裁定が既に下っていた。
ギャビンは、勝てば1億7千万ドルの資産が彼の勤める法律事務所に入る裁判に、証拠のファイルを紛失し、見つからなければ詐欺で刑務所へ行くはめに…。
二人の怒りは、あの事故へと向けられるのである。
ドイルは「ファイルなんて捨てた!それより時間を返せ!」と……。
ギャビンは良心が咎めたが、ハッカーのフィンチ(ディラン・ベイカー)に依頼し、ドイルのデータに侵入、彼の銀行口座を閉じ、「ファイルを返せば、全て元通りにする…」と留守番電話にメッセージを残す。一時は捨てたファイルを拾い、返そうとするドイルだったが、破産に追い込み、返却を迫るギャビンの卑劣な手段に、再び怒りが爆発する……。

恐竜は、同じ事務所に勤める弁護士ミシェル(トニ・コレット)の机の上に置いてある。ミシェルはギャビンの不倫の相手だ。モスグリーンのティラノサウルスは彼女を正面から見つめるように置いてあるのが印象的である。
ミシェルのオフィスは三度映る。ティラノサウルスは二度目と三度目のシーンに登場する。
二度目は判りにくいのだが、最初、書類に埋もれ頭部だけが映り、次に雨が落ちる窓越しにティラノサウルスが滲んで映るのを、画面右下に確認できるだろう…。

ギャビンの台詞に「自分が持てたかもしれない別の人生」というのがある。
自分が持てたかもしれない別の人生…、それがチェクジングレーンなのだろう…。