Vol.66

アダプテーション

2002年 / 米
原題:ADAPTATION
監督:スパイク・ジョーンズ
原作:スーザン・オーリアン
脚本:チャーリー・カウフマン / ドナルド・カウフマン
キャスト:ニコラス・ケイジ / メリル・ストリープ /
     クリス・クーパー / ティルダ・スウィントン

原題の「Adaptation」は「脚色」或いは、「適応」という意味を含んでいる。
ストーリーは「マルコヴィッチの穴」の脚本で大成功を収めたチャーリー・カウフマン(ニコラス・ケイジ)が、スーザン・オーリアン(メリル・ストリープ)の著書「蘭に魅せられた男」の脚色を依頼されるところから始まる。「蘭に魅せられた男」は、ポリリザ・リンデニイ(幽霊蘭)の虜となったコレクター、ジョン・ラロシュ(クリス・クーパー)と蘭の知られざる魅力をルポした作品である。
映画は、アイデアが浮かばず脚色に苦悩するチャーリー・カウフマンの時間と、著書を読み進むチャーリーの妄想、ジョンに魅せられてゆくスーザンの時間が描かれている。2つの時間が重なる時、物語は意外な方向に急展開してゆく。

恐竜は、オープニングから登場する。混沌とした地球から生命が誕生し現代に至るまでのシーンが描かれている。
全く無関係とも思えるこの映像は、苦悩するチャーリーが、脚本に自分を登場させるアイデアを思いついた時のオープニングイメージだった。

「Adaptation」は映画と現実、映画の中の脚色と現実を、このオープニングムービーで繋げている。
脚色、或いは適応……。日本語にすると2つの全く異なる意味を考えてしまうのだが、この映画そのものがそうであるように「脚色」は「適応」であり「適応」は「脚色」なのである。
生命は「適応」する……。
生命は「脚色」する……。
オープニングムービーに込められたメッセージは、手強いのではないだろうか。