Vol.7

電話で抱きしめて

2000年 / 米
原題:HANGING UP
監督:ダイアン・キートン
キャスト:メグ・ライアン / ダイアン・キートン / リサ・クードロー /
     ウォルター・マッソー

「電話で抱きしめて」は、ちょっとした心の動きも受話器の向こう側から伝える家族の物語だ。
イヴ(メグ・ライアン)の仕事はイベントやパーティの企画。3人姉妹の次女で、テレビ・プロデューサーの夫と息子ジェシーと暮らしている。姉のジョージア(ダイアン・キートン)は女性誌の編集長、妹のマディ(リサ・クードロー)は女優。父親ルウ(ウォルター・マッソー)は離婚して以来アルコールに溺れ、老人性の痴呆症で入院。
イヴは仕事に追われながら、姉妹の心配をし、家族に心をくだき、父親の面倒を看ている。気持ちの優しい女性である。
仕事の電話も入ってくるし、皆に頼りにされているイヴは慌ただしい。
自分のパンツも間違えるほどなのにイヴの電話番号だけは忘れない父親からもかかって来るのだから大変。
電話のコールと一方的な会話、仕事、看護、トラブル……、精神的にも肉体的にも疲れ果てたイヴは、遂に家中の電話線を抜き、電話という電話を戸棚に押し込み、息子ジェシーの部屋で安らかな眠りにつく。
ラストは、それぞれの人生を生きる姉妹が父親の死に直面することでバラバラだった気持ちが一つになってゆく。

ジェシーの部屋には、レゴで作った砦や機関車、バスケットボール、戦闘機……、少年のワクワクするモノが集められていた。
勿論、恐竜も置かれている。
砦の手前右にティラノサウルス、砦の入り口奥にイグアノドンが倒れ、砦の向こう側にブラキオサウルス。イグアノドンを挟んでティラノサウルスと対峙し首をあげている。
ティラノサウルスの乱入をブラキオサウルスが防いているかっこうである。静かで外部の誰にも侵されることのない特別な場所に違いない。
ジェシーの部屋が映るのはこの一度だけなのでお見逃しなく。

原題は「HANGING UP」。HANG UPは「電話を切る」ということ。
「どうすればいい?」
「電話を切ることよ」
ヘトヘトになったイヴが、医師オマーの母親から受けたアドバイスだ。
時間も場所も、こっちの都合を無視して入ってくる、携帯電話のコールやメール。
「ゴールデンウィークを楽しく過ごすにはどうしたらいい?」
HANG UP!
HANGING UP!
ハッピーでフェバリットな時間がきっと訪れるに違いない。