Vol.72

赤ちゃん教育

1938年 / 米
原題:Domestic Disturbance
監督:ハワード・ホークス
キャスト:キャサリン・ヘップバーン / ケーリー・グラント /
     チャールズ・ラグルズ / ウォルター・カトレット /
     バリー・フィッツジェラルド / 他

1938年のスクリューボール コメディー。一度、ねじれた状況が最後までどんどんねじれ、スーザン・ヴァンス(キャサリン・ヘップバーン)とデイヴィッド・ハックスリー(ケーリー・グラント)のエキセントリックな男女関係が描かれている。
デイヴィッドは自然史博物館で4年の歳月を費やし、アパトサウルス (プロントサウルス)の骨格を復元している考古学者だ。翌日は、助手アリス・スワロウとの結婚式。復元も明日送られてくる一本の鎖骨で完成する予定だった。しかし、彼にはその前にしておかなければならないことがあった。百万ドルの寄付の獲得。寄付を申し出た未亡人の弁護士ピーボディ氏とゴルフをする約束があったのだ。ところがゴルフ場では横着なわがまま娘に翻弄されて、彼はまともにゴルフもできない状況に陥ってしまう。
このわがまま横着娘がスーザン・ヴァンス。ピーボディ氏とは子供の頃からの知り合いであり、寄付をするという未亡人の姪。話はどんどんねじれてゆくのである。「赤ちゃん」とは、スーザンの家に贈られてきたペット(豹)の名前。この豹を巡ってデイヴィッドは結婚式の当日、コネチカットの別荘へ連れていかれるわ、アパトサウルスの鎖骨は犬に何処かへ埋められるわでニューヨークへ帰ることができなくなる……。

恐竜は最初と最後に登場する。
オープニングでは、鎖骨一本を残し完成間近のアパトサウルス。フェバリットの復元姿勢とは随分と違っている。足下にはフィギュア、壁にはティラノサウルス、ステゴサウルスの大きな骨格スケッチが飾られている。
ラストシーンで再び博物館のシーンがある。
スーザンとの騒動でアリスが憤慨。そこへスーザンが3日間探して見つけた鎖骨を持って現れる。アパトサウルスのパーツはこれで全て揃ったわけだが、横着なわがまま娘である。何かしでかしてくれるに違いない。

映画では、プロントサウルスと言っていた。1938年のアメリカでもその名で親しまれていたのだろう。ちなみに、プロントサウルスの名前は1879年に、アパトサウルスは1877年に発表されている。発表の早い学名に優先権があるわけだが、この恋ばかりはそうではないらしい……。