Vol.79

ロスト・イン・トランスレーション

2003年 / 米
原題:Lost In Translation
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
キャスト:ビル・マーレイ / スカーレット・ヨハンソン /
     ジョバンニ・リビシ / アンナ・ファリス / 他

舞台は高層ビルが建ち並び、夜は原色のネオンが至る所で瞬く東京……。
ハリウッドの人気スターだったボブ・ハリス(ビル・マーレイ)はウイスキーのCMに出演するためにこの町にやってきた。決して上手くいっているとはいえない妻子との関係を抱えながら異国で孤独を味わっていた。時差呆けも重り彼は眠れない夜を過ごしていた。
シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は、フォトグラファーの夫(ジョバンニ・リビシ)の仕事に同行、ボブと同じホテルに滞在していた。
彼女もまた、仕事に追われる夫の横で孤独と不安にさいなまれ眠れぬ夜を過ごしているのだった。町へ出かけたとしても雑踏の中で、或いは夫の友人と共に過ごしている時でさえ彼女は孤独だった。
二人はエレベーターで一度、二度目にバーで、三度目に出会った時、言葉交わした。お互いの孤独が触れあう時、互いの存在が安らぎに変わってゆく……。繊細で美しい、ラブストーリーである。

恐竜は、ロスト・イン・トランスレーションの予告編でも登場していた。
シャーロットが雨の渋谷センター街のスクランブル交差点を透明ビニール傘をさし渡っている時だ。ビル壁面の超大型LEDビジョンにブラキオサウルスの歩く映像が映っている……。

ところで、ボブ・ハリスが空港からリムジンでホテルへ向かうシーンだが、あのビルに連なるネオンの間に、自分が出演したCMのポスターを、デジャブのように見る。
物語は、ここから現在と過去が入れ替わっているのではないだろうか…。
脚本を手がけたソフィア・コッポラ監督は、フランシス・コッポラ監督の娘である。巧妙な仕掛けはあっても不思議ではないような気がしている。