Vol.8

ギフト

2000年 / 米
原題:The gift
監督:サム・ライミ
製作:ジェイムズ・ジャックス
キャスト:ケイト・ブランシェット / キアヌ・リーヴス / ヒラリー・スワンク /
     グレッグ・キニア / ジョヴァンニ・リビシー

フェバリットのホームページに「The Interview」というコンテンツがある。
古生物復元アートを手掛けるアーティストの小田隆のインタビューで、彼は語っている。
「アーティストの世界ではギフトがなければやめなさいと言うことがあります。
ギフトがあると自覚するなら、それを社会貢献に使わないといけないですね。
努力や才能では手に入らない神様から与えられたギフトとはきっとそういう 意味でしょう。僕にもそれがあるのを信じたいのですけれど。」

映画「ギフト」もそういう望んでも得られない能力を持った女性の物語だ。
アメリカ南部のサバナという町で、三人の息子たちと暮らす未亡人アニー(ケイト・ブランシェット)は、人の運命を特殊なカードや、夢、或いは透視で見抜く能力(ギフト)を祖母から受け継いでいた。
彼女はカード占いをしながら町の人々の些細な悩み事を聞いて生活をしている。優しいセラピストのようだった。
夫ドニー(キアヌ・リーヴス)の女グセの悪さと暴力に悩まされるヴァレリー(ヒラリー・スワンク)、少年期のトラウマを持った自動車修理工バディ(ジョヴァンニ・リビシー)を巡り物語は展開してゆく。
彼女の特別な能力は、判らなくてももよいモノまで見え誤解を招くことだってある。
ある日、大富豪の娘ジェシカ(ケイティ・ホームズ)が失踪し、アニーはジェシカが殺され、死体が隠されている場所まで知ることになる。
勿論、彼女が授かったギフトでだ。しかし、証拠は無い……。真犯人が自分を襲うシーンまでアニーには見えてしまうのだ。
彼女を窮地に追い込んでゆくのはギフトだった。そして救ったのもまたギフトである。

ヴァレリーの夫ドニーが、夜……アニーの家を訪れるシーンがある。
ダイニングに彼が立った時、天井から吊り下げられた折り紙のモビールが揺れていた。決してそうは見えないがステゴサウルスのようで、確かに恐竜だということは解る。紙で作った異形の恐竜……。
恐竜ファンならば、このシーンでドニーが殺人事件の犯人ではないと気づくのかもしれない。
性格的にドニーは犯人と疑われるのだが、ラストで真犯人が捕まり自供を始めた時、警官はこんなことを言う。
「昔からあいつのことは知っていたのに。人間の本当の姿は解らないものだ」微妙なバランスで平衡を保つ異形の恐竜に、人の姿を映すことはできないだろうか……。
或いは、モビールのステゴサウルスがそうは見えなかったように、本当は全ての人にギフトは授かっているのだが、どこかでギフトが歪んでしまっただけなのだと……。