Vol.82

ゴースト ワールド

1993年 / 米
原題:Ghost World
監督:テリー・ツワイゴフ
原作:ダニエル・クロウズ
キャスト:ソーラ・バーチ / スカーレット・ヨハンソン /
     スティーヴ・ブシェミ / 他

イーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は幼なじみ。高校を卒業してはみたものの、将来のビジョンも無くフラフラしているのだが、しっかりと二人で住むことだけは約束していたりする。
イーニドはかなりなオタク。自分の世界観を持ちクールに生きているように見える。レベッカは美人だが率直を通り過ぎで辛辣だったりする。イーニドの生き方には共感を覚えているようだ。
ある日、彼女らが暮らす平凡な日常が続く退屈な田舎町で、ちょっとしたイタズラを思いつく。新聞に載っていた出会い系広告を利用して、嘘の約束をするのだ。二人はこっそりどんな男性が現れるのか観察するという始末である。呼び出された男は、シーモア(スティーヴ・ブシェミ)。
彼女らには、どうしようもない中年男だったのだが……。
ブルースに深い造詣を持つコレクターのシーモアにイーニドは惹かれてゆく。そしてその頃からレベッカとの間もギクシャクしてくるのだ。

恐竜は、最初から登場する。イーニドのT-シャツには「RAPTOR」の文字と頭部のプリントがされている。
「素晴らしき日(One Fine Day)」のミシェル・ファイファー扮するメラニーが来ていたT-シャツも「RAPTOR」だった。
彼女のT-シャツに比べるとイーニドのそれは素材もプリントもお粗末だが、不満を隠しきれず、世間になじめず、孤独な略奪者の雰囲気は醸していたように思える。

ゴースト ワールドとは何か?サブタイトルは「だめに生きる」である。
思春期を過ごす田舎町そのものだろうか、不安に満ちた彼女らの世界観だろうか……。
多分、もうそのような時代をずっと通り過ぎたオジサンたちには決して解らない、少女らの棲息する世界こそゴーストなのである。
だから「RAPTOR」もいるわけだ。