Vol.9

ターミネーター2

1991年 / 米
原題:TERMINATOR 2:JUDGMENT DAY
製作・監督:ジェームズ・キャメロン
特殊メークアップ・ターミネーターボディ製作:スタン・ウィンストン
キャスト:アーノルド・シュワルツェネッガー / リンダ・ハミルトン /
      エドワード・ファーロング / ロバート・パトリック

2029年、未来社会を支配しているのはスカイネットというミリタリー・コンピュータだ。
1997年8月29日はJUDGMENT DAYと呼ばれ、核戦争が勃発。
生き残った人類はジョン・コナーを指導者にスカイネットと戦っていた。
スカイネットは殺戮マシーン・ターミネーター(TERMINATOR)を過去に送り、レジスタンスの指導者ジョン・コナーの存在そのものを抹殺しようとする。
1984年のジョンの母親サラ・コナー、1994年の少年ジョン・コナーだ。
指導者ジョン・コナーは、レジスタンスの戦士カイル・リースを1984年、サイバーシステム・モデル101型を1994年に送り母と自分自身を守ろうとする。
ターミネーター2は、1994年の展開である。

スカイネットはサイバーダイン社の開発するニューラルネットプロセッサーより生まれる。
1994年サイバーダイン社の特別企画部長マイルス・ダイソンは画期的なマイクロプロセッサーを開発中なのだが、これは1984年の戦いでサラ・コナーにプレス機にかけられた101型ターミネーターのチップに端を発しているのだ。
ダイソンは、ジョンの送った101型から未来を知らされ、自らサイバーダイン社の研究資料の全てを消去する決心をし、爆破で命を落とすことになる。
時の繋がりは複雑である。

サイバーダイン社の研究室には、人類の滅亡、或いはサイバーダイン社の消滅を暗示するかのように大型竜脚類のバルーンが浮いていた。
研究室に爆薬をしかけるシーンでは、コンピュータのモニターの上にノドサウルス類らしい恐竜のフィギュアも置かれていた。
ターミネーターの101型とターミネーター2の101型とのイメージの重なりと人間味を、サングラスをかけることと外すことで表現する監督ジェームズ・キャメロンである。
恐竜にも何らかのメッセージが込められていたに違いない。

大型竜脚類アパトサウルスはかつてブロントサウルスの名前で知られている。ブロントサウルスは「カミナリトカゲ」という意味だで、巨体で歩くとカミナリのような地響きがしただろうとの想像からだった。
名前は変わっても本質は変わらない……。
未来に、別の名を持つ新しいスカイネットが生まれる予言だったのかもしれない。
そういえば……、101型のチップの貸し出しを申し出ていた社員がいたことを思い出す。

ところで、1989年、スピルバークの製作チームはターミネーター2の特殊効果を担当したスタン・ウィンストン・スタジオを訪れ「実物大の恐竜を作れるかどうか」と打診。ジュラシックパークのティラノサウルスを担当したマイケル・ターシックも、当時スタン・ウィンストンのスタジオで仕事をしていた。また、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)もターミネーター2の撮影に関わっているし、既にジュラシックパークは始まっていたのかもしれない。
時の繋がりは実に複雑である。
人類滅亡後の未来だった1997年8月29日は過ぎ、私達はかろうじて生き延び、時間の帯は相変わらず繋がっている。
そしてメッセージは、常に未来に向けて発せられる。
「NO FATE」(運命ではない)
100th T-rexのメッセージもここにある。
そして、繋がりは時として実に魅力的だったりするのだ。