新恐竜秘宝館

Vol.41 「昭和少年漫画雑誌の恐竜 後編」2018.4.11

前回の記事アップ後、もう一冊「少年キング」を手に入れましたので、まずはそちらから。

n_hihoukan_no1.png hihoukan_41_1.png

「週刊少年キング」(少年画報社)
1969年28号「SF超大作映画誌上大公開!!・恐竜グワンジ」
前回紹介した少年サンデー1969年27号「恐竜の谷」と同じ週(サンデーは6月29日、キングは7月3日)の発売。サンデーがスナップ写真を多用しているのに対しこちらは巨匠・南村喬之による大迫力のイラストが中心で見ごたえがあります。しかし映画の公開は7月19日。両誌とも公開前にストーリーをご丁寧に結末まで紹介してしまうとは!大らかな時代だったのでしょうか。私はグワンジは確かに劇場で観ている筈なのですがワクワクした記憶がありません。その2年前の「恐竜100万年」は強烈な印象でしたが、今思えばラクエル・ウェルチのせいかも…思春期でしたから。(①)

映画関係ではこんなものも。

n_hihoukan_no2.png hihoukan_41_2.png

「週刊ぼくらマガジン」(講談社)
1971年13号「恐竜大特撮~映画「恐竜時代」のひみつ~」
この雑誌の名は記憶にないのですが、連載作品を見ると知っているものも多いので、見てはいたのでしょう。特集は71年3月に日本で公開された「恐竜時代」のモデルアニメーション撮影の方法などを紹介したマニアックなもの。(②)
*この映画のビデオは国内販売されていませんが、英語版ブルーレイがアマゾンで買えます。中身は原始人語なので問題ありません。

n_hihoukan_no3.png hihoukan_41_3.png

「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)
1971年46号「大恐竜」
巻頭カラー7ページ(絵・南村喬之他)に、連載漫画「原始少年リュウ」(石森章太郎)が続きます。(③)
*「原始少年リュウ」については新・秘宝館Vol.32でも触れています。

そして「週刊少年マガジン」(講談社)です。

n_hihoukan_no4.png hihoukan_41_4.png

1065年42号「恐龍大画報」
巻頭カラーグラビア14ページの特集で、絵は南村喬之。紹介したページの他に「怪物恐龍総まくり」と題して鳥脚類を紹介するコーナーがあるのですが、アンキロサウルスをアルマジロの先祖と断言したり、パラソ(サ)ウロロフスをつの龍、トリセラトプスを2本つの龍と呼んだりと、わけのわからない記述が多く、時代を感じさせてくれます。マガジンはこれ以降、何故か「恐龍」にこだわり続けます。(④)

n_hihoukan_no5.png hihoukan_41_5.png

1966年13号「恐龍の驚異100」
巻頭に口絵(南村喬之)と4枚折りの「剣龍」のイラスト(遠藤昭吾・裏は恐龍全種類大きさくらべ)。そして後半に16ページにわたって「恐龍の驚異100」と題して100の豆知識を並べた特集。当時としてはかなりの情報量です。(⑤)

n_hihoukan_no6.png hihoukan_41_6.png

1967年16号「恐龍びっくり大探検50」
巻頭カラー15ページで今度は50のトリビア。前回と重複している話題も有りますが、数が少ない分詳しくなっています。(⑥)

n_hihoukan_no7.png hihoukan_41_7.png

1067年34号「恐龍びっくりランド」
この年2度目の「恐龍びっくり」。今回は迷路やまちがいさがし、クイズなどで遊びながら恐竜の事を学ぶといった企画。(⑦)

n_hihoukan_no8.png hihoukan_41_8.png

1968年16号「恐龍100種類大図鑑」
巻頭カラーとモノクロ、23ページを使って恐竜100種類を図鑑的に紹介。骨格図も多く描かれています。絵は常連、南村喬之と遠藤昭吾(⑧)

n_hihoukan_no9.png hihoukan_41_9.png

1972年3/4合併号「パノラマ絵巻!大恐竜~その誕生から滅亡まで~」
初めて恐竜と表記されました!正月号にふさわしい豪華フルカラー15ページの画集。絵は井田益嗣。紙面からはみ出さんばかりに描かれた恐竜が異様な迫力です。(⑨)

n_hihoukan_no10.png hihoukan_41_10.png

別冊少年マガジン1972年9月特大号「驚異の大恐竜図鑑」
そして同じ年に別冊で恐竜特集が組まれましたが、表紙と巻頭のフルカラー{15ページ程}は「パノラマ絵巻!大恐竜」からの使いまわしなのは残念。それに続く47ページもの特集も、過去の恐竜特集からの記事やイラストが多く総集編と言った感じです。ただ「恐竜の発見意外史」と題された読み物「よみがえった恐竜!」「幻のキロテリウム」「最古のは虫類を求めて」「氷づけのマンモス」「ニセの化石に踊らされた古生物学者」の5編は読みごたえがあります。(⑩)

n_hihoukan_no11.png hihoukan_41_11.png

1976年30号/31号「版権独占!大英博物館からやって来た!大恐龍」(何故かまた龍に戻っています…)
2週にわたってネーブ・パーカーの恐竜イラストを巻頭カラーページで紹介。フルカラーと言うわけにはいきませんが、当時の一線級のイラストレイターのリアルな作品が少年漫画誌のグラビアを飾ると言うのは画期的な事。おまけに解説はあの小畠郁生博士。76年と言えばあの「大恐竜時代」(新秘宝館Vol.11)の年、いわば日本での恐竜ルネサンス元年で、少年誌の恐竜の扱いにも変化の兆しが表れたのか…。何かひとつの時代が終わろうとする寂しさを覚えます。(⑪)

n_hihoukan_no12.png hihoukan_41_12.png

月刊少年マガジン1977年1月号「ネッシーの謎大特集」
「私はネッシーにおそわれた」(梅本さちお)と「ネッシー捕獲大作戦」(坂本しゅうじ)の漫画2本と「ネッシーなんでも大図鑑」会わせて80ページ近くの大特集。(⑫)

n_hihoukan_no13.png hihoukan_41_13.png

1978年25号「タイムトラベル2億年・恐龍動物園」
アーサー・ヘイワード製作の恐竜模型を使った恐竜図鑑。この頃、この模型を使った恐竜図鑑が何冊か出版されました。私にとって懐かしい恐竜達です。(⑬)

*我家の蔵書に限って言えば、次にマガジンが恐竜特集を組むのは90年代なってから。1993年31号、「ジュラシック・パーク」特集。そして1995年11月号の月刊少年マガジンに所十三さんの初恐竜作品「霧の彼方に」が掲載されます。マンテルのイグアノドン発見記。まさかの渋いドキュメンタリー漫画です。

1978年と言えばソ連科学アカデミーの「大恐竜展」が開かれた年。こんな恐竜特集もありました。

n_hihoukan_no14.png hihoukan_41_14.png

月刊少年ワールド 1978年10月号
「失われた生物・恐竜のナゾ!!」
「大恐竜展」のレポートを含む巻頭カラー7ページの特集ですが、冒頭の「恐竜は宇宙からやってきた!?」はNASAのクラーク博士(怪しい!)の珍説を紹介する記事…ナゾです。(⑭)

以上が我家の本棚の昭和漫画誌・恐竜特集の全てです。80年代のものは一冊も有りません。はたして80年代、漫画誌の恐竜はどんな姿をしていたのでしょうか?気になるところです。

ところで、いよいよ7月に「ジュラシック・ワールド2/炎の王国」が公開されます。不覚にもフィギュア付きの前売り券が売り出されたのに気付かず、既に完売と聞いてあわててヤフオクで手に入れました。10cm程の小さなものですが、自立する為に足が大きくガニ股なのに眼をつぶれば良いプロポーションです。しかも顎(ティラノ)、腰(ヴェロキ)、首(パキケファロ)が可動します。(⑮)
n_hihoukan_no15.png hihoukan_41_15.png これはマテル社から発売されたミニシリーズ(全12種?)の物です。マテルからは既にかなりの数のフィギュアが発売されていてセカイモンで即決で出回っています。覚悟を決めて買えるだけ買ってしまいました。4月中頃に届くので、次回お披露目いたします。さらにまだ売ってはいませんがびっくりするほど巨大なモササウルスやドローンに装着して羽ばたきながら飛ぶプテラノドン等、高価そうなフィギュアもあり、今年の夏は恐ろしい事になりそうです。

田村博氏

田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。

田村 博氏のオフィシャルサイトはこちら

バックナンバー