エッセイ

Vol.32 歩く恐竜たち II

5月の連休中、東京駅大丸で開催されていた「恐竜の科学展」に、小田隆さんの格好良いポスターに誘われて行ってみたものの、展示内容はポスターにはほど遠く、そのポスターを良く良く見れば小さな字で「イラストは展示物とは関係なし」と但し書きされていては文句の言い様もありません。有りあわせの化石やレプリカ(しかも古い)を無秩序に並べただけの、まあデパートの恐竜展らしいと言えばらしい展示の中で、唯一見ごたえがあったのが出口近くにあった最新の恐竜ロボット、二頭の羽毛付きヴェロキラプトルで、しばらく見ていてもパターンが読めない複雑な動きを、気になる機械音も無しに滑らかに演じ威嚇をしたり眼を細めてみたり。特に眼を瞬く様は生きているとしか思えない程お見事。なるほどこのロボットなら「科学展」を名乗っても許せるな、と納得した次第です。
リモコン01
さて、進化を続ける恐竜ロボットの遠い祖先と言うべき、電動歩行恐竜玩具のお話です。二足歩行(尻尾は着地していますが)恐竜型玩具と言うと1964年にマルサンから発売されたゴジラのリモコン歩行プラモデルが最初かもしれません。現在、箱入り未組立であれば100万円は下らないと言われる代物を、当時セメダインでべたべたにしながら作った記憶があります。
恐竜はというと、おそらく70年代、トイタウン、後にブルマァクから発売されたリモコン恐竜が一番古そうです。(写真 1、2)80年代、イマイからマグマシリーズと称して、ティラノサウルスとブロントサウルスの歩く骨格が発売されましたが、リアルさは皆無でした。(写真 3
88年にエポック社から「武装恐竜ダイノス」の名でアメリカの人気シリーズ「ディノライダーズ」が発売されました。恐竜に様々な武装を施し、人間が乗り回して戦うという設定の物でしたが、1/24統一スケールで、恐竜自体はなかなか良くできていました。時代を反映してデイノニクス等も含まれていましたが、ティラノ、ディプロドクス、トロサウルス(!)といった大型恐竜は電動歩行しました。(写真 4
ディノライダーズ01
ディノライダーズ02

ツクダアイデアル

90年代に入って我が「恐竜倶楽部」の名を語って(!?)ツクダアイデアルから旧態依然としたティラノとブロントサウルス、アンモナイト型の送信機で操るラジコンのワガママザウルス(写真 5)が発売されました。
これらもその例に漏れないのですが、国内玩具メーカーには電動歩行物は恐竜、怪獣、ロボットなどを問わず、せっかく電気を使うのだから眼を光らせなければ損、といった風習があるみたいで、困ったものです。

そして1997年、真の意味の二足歩行恐竜が登場します。「JPロストワールド」グッズのリアルなティラノサウルスです。(写真 6
ギミックティラノ
リモコンで、歩行(足音付き)し頭をもたげて咆哮するギミックを持っていました。更に画期的だったのはゴム製の皮膚を持っていたことです。すぐに転んでしまうという欠点には眼をつぶりましょう。
次回はラジコン恐竜対決「JPIIIの遺恨再び!ティラノVSスピノサウルス」です。

田村博氏

田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。

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