エッセイ

Vol.35 シンクレアの恐竜

さて今回は、恐竜ロゴで有名なアメリカの「シンクレア石油会社」(以下シ社)の恐竜グッズの巻ということで、まずはネットで「シンクレア石油」を検索してみたのですが、いきなり20世紀初頭の米 VS イランの石油問題に出くわし、続くは「日露石油協定」とか「製油所で爆発」とか、そんなのばかり。ようやく恐竜が出てきたと思ったら当フェバリット・サイトという有様で…。まあ当たり前と言えば当たり前なのですが、恐竜愛好家(特にご当地アメリカの)の間ではシ社は恐竜界の大御所として認知されています。
例えば恐竜コレクター本「DINOSAUR COLLECTIBLES」ではシ社の恐竜グッズだけに一章を割いていますし、最強コレクター、ドン・グルットさん著の「THE DINOSAUR SCRAPBOOK」でも、シ社が実物大恐竜模型展示を提供した2回の万博(1933〜’34シカゴと1964〜’65ニューヨーク)の模様を豊富な写真で詳しく紹介する章を設けています シ社は、かのバーナム・ブラウンの発掘にも資金を提供していました。当サイトのFANS→D-UTHORITIES→バーナム・ブラウンの所(先ほどネット検索で引っ掛った!)に説明がありますのでご覧下さい。ただしロゴがディプロドクスとなっているのは誤りで、ブロントサウルスです。

さて、グッズです。まずはブリキの看板(写真1、2)。昔の看板をブリキで復刻した物でインテリア等に使われる物だそうです。その手のマニアもいて専門店もあります。詳しくはこちらで。
http://www.candytower.com/

余談ですが、最近のディズニーのCGアニメ映画「カーズ」に出てくる「ダイナコ」という石油会社のロゴが、ティラノサウルスらしきシルエットで、シ社のパロディになっているそうです(筆者は未見)。

'30年代のシカゴ万博の時の記念グッズはスタンプブックなど紙物が中心でしたが、'60年代のニューヨーク万博の際には、屋外に展示したジョナス・スタジオ製の恐竜を元にした20cm程のミニチュアが大量生産されました(写真 3)。この辺りの事情についてはこちらのサイトをご覧下さい。飛騨高山にあるアンティーク・トイ・ショップで、見事な品揃え(眼の毒!)。万博の恐竜写真も有り非常に興味深いです。
http://tenshu53.exblog.jp/i6

眼の毒ついでにこちらはお馴染み荒木一成さんのコレクション。万博に展示されたシンクレア恐竜の雛形を元にしたジョナス・スタジオ製!つまり「本家」のミニチュアです。非常に高価な物です。もはやヨダレも出ません。
http://www.geocities.jp/araki_dinoshop/image/collection/jonasmain.htm

その他、食玩サイズのミニチュア(写真 4)、燦然と輝くニッケル製の灰皿(写真 5)、比較的新しいが情けないヌイグルミ(写真 5)等を持ってはいますが、シ社恐竜グッズは文房具から食器、石油缶まで、星の数ほどもあるらしく、現在も新しい物(食指は動かず)が売られているとあっては、ギブアップするしかありません。
http://www.sinclairoil.com/merchandise.htm

国内でも恐竜のロゴを使ったりマスコットにしていた企業もあったのですが…さくら銀行(パラサウロロフスのパラサがマスコット)絶滅、今が旬の日本ハムファイターズは先代のマスコット・プテラノドンのファイティーがヒグマにニッチを奪われてから程なく優勝…といった具合で、やはり絶滅動物は験が悪いのか?そんな中で私的に極めつけの絶滅企業が、知る人ぞ知る伝説のプロレス団体SWSで、格好良いティラノ・ロゴのTシャツ(写真 7)は、ちょいと自慢(プロレスマニアに対しても)の一品です。

田村博氏

田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。

田村 博氏のオフィシャルサイトはこちら

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